壁紙を選ぶのは難しい～2

建物の内装仕上げは、
理想としては、無垢の木、しっくいなどにしたいです。
若しくは、超低VOCの塗料です。

ですが、限られた予算内で機能を重視して、
建物としてまとめるためには、仕上げにしわ寄せが…。

ということで採用することが多いオレフィン系壁紙ですが、
織物系の壁紙、和紙系の壁紙を検討しないことはないです。

台所などの「火気使用室」では、
「準不燃」以上の仕様が求められるのですが、
織物系や和紙系には難燃剤という薬品が、
添加されていることが多いのが現実で、
そしてこの難燃剤の主流は「有機リン」なのです。

建築基準法で使用が禁止されているクロルピリホスも、
「有機リン」ですが、それ以外に関しては規制外です。

それから織物系や和紙系では、
「雑巾で汚れを拭きたい」というユーザーの声に答えられないのも、
採用できない理由の一つです。
「美しく老いる建材」「年齢を重ねるごとに…」
「調湿性を考慮した」
という考え方が一般的になれば、
室内環境が色々と良くなりそうな気がしますが。

もちろん「火気使用室」以外で、
「雑巾で拭かない」場所で壁紙を仕上材とするならば、
織物系や和紙系の壁紙を採用したことがあります。

でも、探してもなかなか見つからない安全安心な壁紙。
しかも、設計者として指定できる製品は少ないです。
以前の現場で採用したのは、こちらの製品でした。
仕上がりは、とても優しい感じでした。

素材工房
http://sozaikoubou.com/
素材工房で検索すると違う会社が見つかりますので、
天然住宅からのリンクが確実です。

天然住宅
http://tennen.org/

防火認定も、不燃、準不燃（基材指定）が取れています。
でも、販売単位が1巻（30m）なので、
小さな改修工事では使いにくいのが残念です。
安心な壁紙用糊の扱いもあります。


初出：2013-10-30