PRTR、MSDS、GHS

PRTRもMSDSもGHSも、一般的には耳慣れないアルファベットの羅列です。
しかし、それらで扱っている化学物質は、意外なほどに身近なものです。

特に、一般家庭で使用されているものでは、
合成洗剤に含まれている合成界面活性剤、
防虫剤や殺虫剤に含まれている成分、
一般的な書籍・雑誌・チラシ・新聞などで使用されているインクの成分。

用語の内容は、以下のサイトから転載します。
NPO法人　有害化学物質削減ネットワーク
http://www.toxwatch.net/

PRTR：有害物質排出移動登録
事業者が取り扱う有害化学物質の大気、水、土壌など環境への排出量、
及び廃棄物や下水道への移動量を、毎年届け出て、国が集計公表する制度です。

MSDS：製品安全データシート
製品化学物質やそれが含まれる原材料を安全に取り扱うための情報を記したもの

GHS：化学品の分類および表示に関する世界調和システム
化学品の危険有害性の種類と程度による
分類、ラベル表示、安全データシートについての、
世界的に統一されたルール
[ここまで転載]

合成洗剤の主成分である合成界面活性剤で、
通称LASと表示されている直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及びその塩
など9種類の合成界面活性剤は、PRTR制度を盛り込んだ法律
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に管する法律」で
有害な恐れがあると認められる物質である「第一種指定化学物質」に指定されています。

指定された理由は、水生生物（藻類、ミジンコ、魚類）に対する生態毒性

歯磨き粉に使われている合成界面活性剤は、
洗濯用の合成洗剤に使われている合成界面活性剤と同じでも、
表示名が違うらしいです。

アルキル硫酸エステルナトリウム（洗濯用の表示名）
ラウリル硫酸ナトリウム（歯磨き剤用の表示名）
同じ物質なので、どちらも「第一種指定化学物質」

つまり、使われている香料以外は殆ど同じ成分である場合が多い…。
洗濯用洗剤で歯を磨きたいと思わないですよね。


初出：2011-11-09

※SDSは平成23年度(2011年度)までは、
「MSDS （Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート）」と呼ばれていました。
2016年現在でもMSDSで検索がヒットする場合が多いです。