特別じゃない

化学物質過敏症を発症すると、
一般の人には理解できない程度の化学物質で体調を崩します。
だから、他の人からは「神経質」「御身を大事にしすぎ」「神経症じゃない？」
「気にしすぎよ～」と言われることがあります。

でも最近は、原因をほぼ特定できるようになったし、
他の発症者さんと一緒にいると、
同じ成分に反応することが多いので、
「私だけじゃない」とか「特別じゃない」と思えます。

体調不良があって色々な病院を転々として、
「異常ないですよ、気のせいじゃないですか？」といわれた場合、
化学物質過敏症を疑ってみるのは、一つの選択肢だと思います。
そこには、現状を変える可能性があります。

残念なのは、理解できない家族に囲まれて、
心療内科の病院に入れられる方がいらっしゃるということ。
中には思いつめて自殺された方も…。

私の場合は常に頭痛がしていて整髪料などの成分で頭痛が酷くなるので、
「なに、怒った顔をしている！」と言われたり、
「機嫌が悪いみたい」と陰で（聞こえるように）言われたり。

機嫌ではなく、体調が悪いだけです！
とは、言いづらいし、声が出ない場合もあるし。

頭痛がしているときに鏡を見ると、
前髪で隠れてはいるものの、こめかみに青筋が…。
眉間のしわは、触ればわかる程度だったりします。

理解してくれる友人は、
ドラッグストアや靴屋さんの店頭を、早足で通り過ぎようとする私に、
「…やっぱ、苦手な揮発物質が発散しているのね」と、
歩調を合わせてくれます。

一人でも、理解してくれる人がいれば、心強いです。
たとえ、年に2回程度しか会えない友人でも。


初出：2008-10-19